UX Tokyo Jam 2014を行いました。そのフォローアップ


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去る7/26 (土) に UX Tokyo Jam 2014 #uxtokyo が開催され、参加しました。
今回、UX TOKYO/コンセントの坂田さんから相談をいただき、グリーを会場として提供させていただき、僕自身も「Empathy in UX Design」、「Experience Design Out of Screen:これからのエクスペリンスデザイナーの生きる道(ライトニングトーク)」の二つのセッションに登壇させていただきました。

運営でバタバタしていたのもありつつ、全体は坂本さん(@bookslope)のブログで紹介されているので、僕は登壇したセッションを中心にフォローアップしてみたいと思います。

Empathy in UX Design

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このセッションでは、UX TOKYO坂田さんと、エンジャパンに移られたばかりの水野さんと3人で登壇しました。

  • 坂田さん:事業会社→デザインエージェンシー
  • 水野さん:デザインエージェンシー→事業会社
  • 村越  :デザインエージェンシー→事業会社

というお互いに受託と事業両方経験しているけど、現在の立ち位置も三者三様というメンバーで何が話せるのか?というのを事前に三人で議論を重ねました。
水野さんがエンジャパンにジョインしようと思ったきっかけ、村越が日々マネジメントとしてチームを運営している時の実践の話、いろいろと話題提供しながらキーワードを探ったところ出て来たのが、セッションタイトルにもなっている「共感(Empathy)」でした。

水野さんからは、「なぜ、共感なのか?」という話、そして「共感」を生み出すためのデザインプロセスに関しての話題提供をいただき、村越からは「理想のUXに固執せずに現状の組織と人に共感することで立ち位置を築く」という割と中間管理職的発想でのUX実践について話題提供させていただきました。

僕がとくにキーワードとして挙げていたのは、

変化適応力を持つ

いわゆるUXデザインの議論で語られている「UXは組織のデザインであり、事業から含めて関わって行くべき」という視点は会社のスタッフ層あるいは中間管理職層からすると思考停止ワードに近くて、「そう言われたからといって、そこまで発言権ないけどどうしたらいいの」的なことになってしまいます。
たとえば、「UI/UX」と言われるくらいなら割り切って「UI」に特化してみよう、と軸足を変えたというのがありますが、軸足をフォーカスしたことでチームとしても動きやすくなったし、組織から見たチームも明解になったのでは、という事例を提供しました。

アンラーニング

アンラーニングとは「学習棄却」と訳されますが、「いったん学んだ知識や既存の価値観を批判的思考によって意識的に棄て去り、新たに学び直すこと。」という意味です。
組織の中で、UXに対しての理解が進まないのであればいったん学んで来たUXの枠組みを今の現状にあてはめて、現実的な形で再構築したほうがいい、というのが持論です。
僕の場合では、「UXは組織のデザイン」みたいな話は理論や体系としては押さえつつ、実際は「UI設計を起点として、UXデザインとしての品質を担保する」という部分にフォーカスした限定的な動き方をファーストステップとして、今活動を行っています。
理想を学べば、理想のとおりに進めることが当たり前というバイアスがかかってしまうのですが、組織はいろいろな人の個性の上に成り立っていますから現状を認識した上で、自らの活動もデザインする必要がある、ということをキーワードとして挙げました。

Experience Design Out of Screen:これからのエクスペリンスデザイナーの生きる道

ATOMOS Design児玉さんから、ちょっと未来、でも確実に現実になるであろう未来の話をテクノロジーのトレンドからご紹介いただきました。
IoTの話題をメインにしつつ、インターネットの社会への浸透はデザイナーの領域を拡張するという示唆をいただき、そこからライトニングトークとして村越と坂田さんで話題を拡げていきました。

Rethinking Human Experience

僕が提供した話題は、2045年問題、シンギュラリティというキーワードです。
これはアメリカの未来学者レイ・カーツワイルが提唱している考え方で、「技術は指数関数的に成長していき(ムーアの法則)、2045年にはコンピュータの能力が全人類の能力を超える、その後の技術の指数関数的成長は人類には予測のつかないものである。よって、人間の最後の発明は全人類を超越するコンピュータになる」というものです。

これだけ聞くと、トンデモ系の話題のように思えますが、現実にデバイスはGoogle GlassやOculusのようなウェアラブルデバイスから脳波インターフェースまで僕たちの手の届くとことまで来ました。人間とコンピュータ、あるいは画面で操作するデジタルプロダクトのデザインという仕事や関係性は長くは続かないと思うのです。そうなったときに未来に思いを馳せてみると、以下のことが起こりうるのではないかとおもいます。

  • 人間とコンピュータの融合・統合
  • 人間の枠組みの変化(人間とコンピュータが同化し、人間という存在を問う議論が高まる)
  • 人間と社会の枠組みの変化(社会とは何か、という議論に再びなる)

世界の枠組みを捉え直す時代が必ず訪れ、人間とコンピュータの境界があいまいになる事でふたたび「人間への理解」という機運が高まる時代に戻るのではないかと思っているのです。
そうなったとき、UXデザイナーは人間を理解し、一人の人間の社会活動をデザインする仕事としてさらに領域を拡張して存在していたい、そういう思いを込めてLTで話題提供しました。

The Nature of UX

クロージングは長谷川さんの「UXの本質」というブログ記事に対するフォローアップ。
グッズドミナントロジックからサービスドミナントロジックへの意向というサービスデザイン文脈からのビジネスの世界での変化をキーにUXというものを再び考え直してみるという内容だったかと思います。
なぜ、UI/UXではないのか?という事に対する解が紹介されています。ここをよりどころに変化適応しながら、それぞれの状況で活動する、というのが今回のUX TOKYO Jamの全体のセッション構成だったのかな、と思います。

「UXデザイナが未来を作る」

今回、偶然にも?「未来」というフレーズでセッションを終えた登壇者が多かったのが個人的にはすごく刺激的でした。
デジタルプロダクトに長くかかわってきた、Web業界起点のUXデザイナーだからこそ、「未来」をそろそろみすえなければ、と思っていたところに共通の宣言がセッションを通じてできたのはよかったです。
家電や自動車など製造業などのメーカーは昔から研究開発の流れで、未来志向だったと思うので、未来を今頃志向するのはすでに遅れているのかもしれません。ただIoTなどの流れの中で、デジタルがフィジカルに、フィジカルなものがデジタルにという相互流通はもうほぼ一般化した中でより、いっそう未来だったり人間だったり、社会というものへの理解は深めることが重要だし、その先にデザイナーの進む道が開けているのかもしれません。

期せずして、セッション全体がそのような宣言の場になったことがとてもワクワクしました。
こういうお祭り的なイベントはまたやりたいですね。

ほかのセッション

UX戦略を考えるための本質的ユーザー理解

インフォバーン井登さんからはリサーチの現場からのユーザ理解に対するいろいろな気づきをいただきました。とくに10個のTipsは、僕もリサーチの現場では常に意識はしているもののTipsの周りにある背景まで含めてみることでより感覚として理解しやすかったです。

UXデザインのためのマテリアリズム

UX TOKYO/BEENOS山本さんと、編集者の江口さんによるトークセッション。
こちらでもフォローアップされています。(セッション記録:UXデザインのためのマテリアリズム

Facebookのコメントでも書いたのですが、デザイン対象に対するUXだけを考えるのではなく、一人の人間、デザイナーとしてのスタンス、とか姿勢に目を向けることってすごく大事なことだと思っています。このセッションも聞きたかったのですが、裏で登壇だったので聞けず。。。

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